麦藁菊

プロローグ

＊読む前に設定の一読をオススメします＊


なんかものすごい文章が意味不明･･･orz
頭が落ち着くまで修正できないのでそれまでは心の目でお願いします（´；ω；｀）
スミマセンorz

――ゼロレクイエムから数十年

世界を自らの死によって鎮めたルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、その日真っ白な空間にいた。
別に何を思ったわけではない。
ただ、好きなのだ。この何もない空間が。
いつもならただそれだけの理由でここに来ていた。

だが、今日はそれだけの気持ちで来たわけではないことは自分自身よくわかっていた。
今、胸の中に湧き上がる感情が確かにあるから。


「･･････スザク･･･」


この気持ちの原因を呟く。
そう、すべては昨日告げられたC.C.の言葉から始まった。


―――『枢木スザクが死んだ』


最初はあまり状況が掴めなかった。
ただ無性に胸が苦しくなったのは覚えている。

そろそろその時だろうとは思っていた。
しかし、実際に告げられると現実は･･･こうも、苦しい。
もしかしたら自分は、スザクの「死」が苦しかったのではないのかもしれない。
スザクが今「ここ」にいない、その現実がどうしようもなく辛かったのだ。

今までギアスに関わって来て、尚且つCの世界に入ったことがあるスザクは死後Cの世界にやってくる可能性は大だった。

しかし、今ここにスザクはいない。
･･･つまり、生まれ変わる運命を辿ったのだろう、彼は。
生まれ変わった後に前世の記憶は宿らない。


「枢木スザク」はもういない


それが、俺に突き立てられた現実だった。


「スザク･･････」

ぽつり、ぽつりと彼の名を呼ぶ。
何度も、何度も。
答えてくれる彼はもいないと知っているのに。

悲しみに全身が飲まれようとした、その時だった。
この真っ白い空間に自分以外の気配が現れた。


「やっぱりここにいたのか」

「･･･C.C.？」


現れたのはC.C.だった。
時折、彼女はこうやってCの世界に現れる。
本人が言うにはこの間体は睡眠を取っているというが、実際はどうなっているのかはわからない。


「何の用だ？スザクは無事に転生したのか？」

「そのことだが･･･問題が起きた」

「問題？」


少し困ったような顔をするC.C.を珍しく思いながら、俺はどこか嫌な予感を感じていた。


「枢木が別次元に紛れ込んでしまった」

「･･･何？どういうことだ、それは」

「本来ならあいつはここ･･･Cの世界に来るはずだった。しかし･･･偶然できた時空の歪みに巻き込まれてしまった」

「それはつまり･･･どういうことだ」


心の中で嫌な予感がどんどん形を成していくのを感じながら、C.C.の目を見つめる。
C.C.はいつものような鋭い目をしたまま、俺を見据えて口を開いた。


「このままでは他の者たちも巻き込まれてしまう可能性がある。枢木スザクを連れ戻して来い」

「･･･スザク、を？」

ああ。
そう言うと、C.C.は急かすように近寄ってきた。


「既にシャーリーが巻き込まれた。時間は一刻を争う」

「シャーリーが！？」


それは事態の深刻さを物語っていた。
それでも、今にも走り出しそうな焦りを抑えて状況の確認をする。


「――――わかった、俺がスザクの元に行けばいいんだな？」

「あぁ、そういうことだ。シャーリーにはロロを向かわせた」

「わかった」


一通りの説明を終え、俺は問題の歪みへと向かった。


「ルルーシュ」

「何だ？」

「気をつけてな」

「何だ、お前らしくない。しかしまぁ、そうだな･････いってくる」




後ろで微笑む気配を感じながら、俺は歪みへと足を踏み入れた





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―プロローグ　完―